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人間と動物の共存、ついに理想的な解決策が?

日本各地で、熊が街に現れることがが問題になっていますが、ボツワナでは、動物保護区などの近隣に暮らす人々と野生動物の間での対立が深刻化しています。
最近では、気候変動の影響で食料も減り、野生動物たちは頻繁に人間の住む村に現れるようになりました。

特に、家畜は簡単に捕らえられる獲物として、野生の肉食動物の格好のターゲットになりつつあります。一度その味をしめてしまうと、頻繁に村へ戻ってくるようになってしまい、多くの畜産農家の頭を悩ませています。

ボツワナには、バッファローフェンスという、野生動物と家畜を分けるためのフェンスが設置してあります。しかし、ゾウの通行などにより簡単に壊され機能していない場所も多くあり野生動物が自由に行き来している状況です。

動物も生きるのに必死であることはよくわかります。そして人間も。
そんなお互いが遭遇してしまったときには、時に、望まない関係性が生まれてしまうわけです。
サファリなどで、動物との出会いを楽しむ側面ばかりを見てしまう私たちには想像がつきにくいかもしれません。

しかし、ここにきて、大きな希望となるニュースです。


2024年の終わりにボツワナのマウンで開催された、ジャラ・ペオ協会 第4回環境意識向上会議(Jala Peo Organization’s Fourth Environmental Awareness Conference)で、ボツワナ・プレデターコンサぺ―ション(Botswana Predator Conservation)の研究者、Dr.ピーター・アップ(Dr. Peter App)が驚くべき効果的な手法を発表しました。


その手法とは…

「肉食動物の匂い」を利用する、バイオ・バウンダリー(Bio Boundary)というものだそうです。

肉食動物は縄張りを確保する時に排出物を使います。
例えば、あるライオンが自分の縄張りを主張するために排出物を体外へ出すと、その匂いを嗅ぎつけた別のライオンはそこには立ち入りません。もし立ち入り、お互いに遭遇した場合には壮絶なバトルが繰り広げられます。

そもそも、Dr.アップが、この研究を始めるきっかけとなったのは、ある畜産農家からの相談だったそうです。
彼のヤギは一日1頭のペースで肉食動物に捕食されてしまっていたとか。

研究者たちは、そのような問題を解決する手立てとして、肉食動物の特性を利用してレパードの尿から採取したある物質を使ってみたそうです。

そして、気になる結果は、大成功でした。

レパードは、その物質をまいた牧場や家畜の敷地に立ち入りませんでした。また、ハイエナも同じように、この特殊なに匂いでマーキングしたバッファローフェンスを、またいで侵入することをしませんでした。

↓ ここで実験ビデオが見られます。Leopard turns back! レパートがひき返す!

Bio Boundary: https://www.wildentrust.org/post/bioboundary-predator-repellents-doing-impossible-things

さらに、ある牧場では周辺にレパードが3頭いるものの、そこの牧場主が飼っているヤギのうち、3分の1のヤギの首輪にこの物質をしみこませたところ…

それ以来、ヤギの捕食はピタリと止んだというのです。

続けて、Dr. アップは話します。
この物質は、ローテクノロジー、ローコスト、そして早くて簡単。従来のように、銃弾を用意したり、毒を仕掛けたりという面倒な事をする必要もなく、またそれらに係るコストの捻出に悩むこともありません。

おわりに…

私も、野生動物と人間との対立には日々悲しさを感じていましたが、この方法には少し希望を見出しています!
自然界の知恵が、共存への道を示してくれるなら、これこそ最高のアイデアかもしれません。

皆さんはどう思われますか?