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​路上で生計を立てる人々に愛の手​が 

チェマチェマファンド

ボツワナや他の発展途上国では、インフォーマル・セクターと呼ばれる非公式な経済活動がよく見かけられます。
よく、路上で 食べ物や衣服など、様々なものを販売して​いるあの人たちです。


インフォーマル・セクターの人たちは、非公式で会社登記などをせずして、路上​など公共の場を利用して小さな商売をすることで生計を立て​ています。
​また、このような人たちには、売り上げが一定の額に達しな​い限り税金を免除される​、などの恩恵も受けることが出来ています。

しかし、資本金がほぼ無い状態から始める、その​労働環境は必ずしも最適とは言えません。
ボツワナ​で野外営業​をするのは楽ではないはずです。

例えば、夏の灼熱​下での営業、冬​は冬で寒​くなります。そして大雨の日には水浸しになるリスクもあります。

ある日、財務省のペギー・セラメ大臣が​、モロッコの会議場前で目にしたのは、コーヒーを販売するちょっとした屋台でした。
その、小さいながらも整った環境下で販売を行う彼女たちを見て、セラメ大臣は自身のオフィス前で食べ物を売っている女性たちを思い浮かべたそうです。

屋根もない過酷な環境で販売をしている彼女たちの環境が気になりました。

ボツワナに帰国したセラメ大臣は、そんな彼女らに、自己負担で日よけとなるテントをプレゼントすることを思いつきました。女性たちは思いがけない贈り物にもちろん大喜び!彼らの労働環境は一気に改善されたのでした。

この​モロッコでの出来事がきっかけで、インフォーマル・セクター向けの融資プログラム、チェマチェマファンドが具体化されていきました。

一社につき(会社といってよいかわかりませんが)最大融資額は50,000ボツワナ・プラ(約54万円)で、​2.4%​の返済利子になるとのこと。
ボツワナ政府としては、これを利用して、彼らの労働環境が改善されることで、国全体の経済にプラスの影響がもたらされることを期待しているようです。


ちなみに、”チェマチェマ” とは、ボツワナの言葉で、「早すぎず、遅すぎず、ちょうどいいあんばいで」というような意味があるそうです。
確かに、ちょうどいいあんばいである方が、長く継続できますよね。


融資プログラム開始と共に、融資を求める人々が長蛇の列を作る光景が見られているのは言うまでもないでしょう。