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海外フィールドワーク:ボツワナサファリ編!秋田大学国際資源学部の皆さん

ボツワナコーディネーターの内田です。
ボツワナに在住し、現地のコーディネートをしています。

今回は、秋田大学国際資源学部の学生さん9名、そして引率の先生方2名という皆さまに、モレミゲームリザーブ(オカバンゴデルタ内)1泊2日のキャンプサファリ体験をしていただきました。
毎年、学生さんには大変好評をいただいている恒例行事ということで、今年こそは、初のアフリカサファリ体験をする皆さんの表情を見るために、無理やり仲間入りしちゃいます!

秋田大学国際資源学部の皆さんがボツワナへ — その理由とは?


秋田大学国際資源学部では、毎年「海外資源フィールドワーク」と題した海外での実習を行っており、それぞれの学生さんが選んだ国で現地の資源に関連した実習を行っています。
くわしくは以下のサイトをご覧ください。↓

海外資源フィールドワーク: https://www.akita-u.ac.jp/shigen/fieldwork/index.html

今回のフィールドワークでは、約4週間ちかくボツワナに滞在してくださった皆さん。週末の2日間を活用して、ボツワナのもう一つの魅力にも触れていただきました。
それが、キャンプをしながら行うサファリです!

キャンプサファリ、1泊2日の行程

1日目
マウン出発 → オフロードでガタガタ揺られ、モレミゲームリザーブへ
ゲートに到着&ランチ
ゲートから更にガタガタ揺られ → キャンプサイト到着
各テント確認&日陰でシエスタタイム
午後のゲームドライブ&アフリカの夕日 in モレミゲームリザーブ
キャンプシェフによる、星空の下キャンプディナー
動物や虫たちの声を聞きながら就寝

2日目
超早起き&朝食
キャンプサイト撤収
朝のゲームドライブへGO!
帰路へ
マウン到着

季節:夏。乾季の終わりでまだ雨が降っていない頃。地面から熱気がこみ上げてくるような暑さ。湿気はほとんど無し。
ガイド:1号車:カイザー、2号車:テビー

モレミゲームリザーブ1日目

出発地点は、オカバンゴ・デルタの玄関口と言われているマウンの町。ここからすでに2台に別れてオープンサファリカーへ乗り込みます!
車両は、(アフリカでも大活躍中)TOYOTA のランドクルーザー。

いよいよマウンを出発。
車が少し走りだした時点から、「わー、」と少しテンションを上げてくれる学生さん。そういえば、日本でオープンカーに乗る機会って、なかなかないですよね。

モレミゲームリザーブのゲートまでは、陸路移動で約3時間。
朝はまだ風を受けてちょうどいい気持ちよさです。
道は途中からオフロードに変わり、他のサファリカーとすれ違うときに巻き上がる白い砂埃から顔を覆いながら進みます。

途中から、家畜エリアが終わり、野生動物の姿がチラホラ見え隠れし始めました。
最初に見えたのはゾウだったと思います。
皆さんにとって初の野生動物遭遇!
この初回限定の新鮮な反応を見るのが、私は好きだったりします。

モレミゲームリザーブのゲートに到着し、キャンプシェフが用意しておいてくれたランチを広げて皆でいただきまーす。

この辺りもまだ雨が降っていないようで、木に葉っぱがなくほとんど日陰がない…。
それでも、みなさん健康的な食欲でもりもり食べてくれるので見ていて気持ちがよかったです。

さあ、キャンプサイトまでまだオフロードは続きますよー。

日差しも強く、そろそろ本格的な暑さになってきました。
皆さんもぐったり、私もぐったりです。水を飲んでも飲んでもお手洗いにいきたくなりません。
そう、本来人間は汗をかいて体温調節できる生き物であったと再確認。

実は、このサファリカーには、冷蔵できるクーラーボックスが装備されているのです!
しかし、喉の渇きは皆おなじ。
クーラーボックスを開けたり閉めたり…。残念ながら飲み物たちは常温からマイナス3℃くらいをキープ。

いよいよキャンプサイトに到着!

キャンプサイトでは、テントなどの準備をするスタッフが前乗りして、私たちのお部屋をセッティングしてくれています。
お部屋といってもテントのことで、いわゆる自衛隊テントのように大人が立って入れるサイズ。

お部屋にチェックイン出来るまで、学生さんもそれぞれ自由に過ごします。
しかし、
この暑さでエネルギーセーブモードなのか、動き回る人は誰もいませんでした。(笑)

少し冷えかかった1.5Lの炭酸ジュースをクーラーボックスから取り出し、ラッパ飲みを始める学生さん、いや~最高だよね…。
ここでなら冷えた炭酸飲料の価値は爆上がりでしょう。

お部屋に入れるようになりました。ベッドの上にはちゃんと、フェイスタオル、バスタオルの用意もあり、床にはマットも敷いてあり、どこかのこじゃれたゲストハウスのようでもあります。

私がおすすめするサファリ会社の一推しは、それぞれのテントの裏側にポータブルトイレを設置してくれていること。
以前は、穴の掘られた離れのトイレテントまで歩いていく必要がありました。しかし、いつでも動物が自由に行き交える環境のキャンプサイト。
特に夜中の外出は、望まぬ挑戦です。

ポータブルトイレの周辺には、トイレットペーパーだけでなく、消臭スプレーまで用意してくれている心遣い。
野外だけどね。(笑)

日も傾いてきて、少しはまともに動けそうになった頃、午後のゲームドライブへでかけます。
まずは、ベテランのガイド、カイザーが目星をたてた方向に進むと、数時間前にレパード(ヒョウ)を見たとの情報を他のガイドからゲット。
黄金の斑点をまとった忍者を見るまでにそれほど時間はかかりませんでした。
カイザーが向かった先に大きくそびえたつ木の上には、あらら、インパラちゃんがぶら下がっています。
つまり…。誰にも邪魔されないレパードの隠し食糧庫です。

間違いない、この周辺にいるはず!
と、茂みに入ってみると…、いました。木陰でリラックス中。

カイザーは、スマホのズームでも撮影できるほどぎりぎりまで距離を詰めていきます。
皆さんにとって、初の肉食動物遭遇に少々興奮気味。写真、ムービー撮影をします。

「動物に刺激を与えると危険だから静かにしてね」というカイザーの指示を忠実に守り、静かにじーっと眺める学生さんたち。
どんなことを思っていたのでしょう。

眠そうなレパードを見納めた後、その場を離れることに皆で同意。

シマウマ、キリン、ゾウなど他の動物たちを目にしながら、1時間近く走ったでしょうか。カイザーもそろそろ皆さんが期待されているであろうライオンを探している様子です。 

私も無言で動物探しに没頭している頃でした。カイザーが突然「ライオン♪ライオン♪ライオン♪」と歌い出す。
疲れて少しおかしくなったかな、と思いましたが、彼が指さす左手の茂みを見てみると、いるではないですか!

手前にいるのは、まだ自分で狩りをするには早い年齢の子供たち3~4頭。
どうやら母親は茂みの向こう側で休んでいるようです。

子供たちも体は大きくなってきているけど、まだあどけない表情が残り、一つ一つのしぐさがいちいちカワイイ。
こちらもスマホ撮影できるくらいの至近距離でした。

保護区での移動可能な時間もあと少しとなってきました。そろそろキャンプサイトへ向け車を走らせます。
だんだん日が暮れて鮮やかなオレンジが動物たちを照らす、アフリカの美しい瞬間です。

キャンプサイトに戻ってから、夕食が出来るまでの間、順番にバケツシャワーを浴びることにしました。
バケツシャワーとはお湯の入ったバケツにシャワーノズルがついているものであります。
まずは男子から順番に。ブッシュで浴びるシャワーは爽快にちがいない。

手前のテーブルに夕食が運ばれてきました。キャンプ飯です!
肉をメインにサラダ等、デザートまで用意され、皆さんそれぞれのお皿に盛りつけ、長テーブルを囲んでいただきます。

食事を挟みながら、着々とシャワーの順番も回ってきます。
キャンプのライト以外、あたりは真っ暗で、頭上を見上げると素晴らしい星空が広がっていました。
「雲のように見える白っぽいものは、天の川だよ。」と伝えると、驚いて感動してくれる学生さん。

そんなふうに夜のひと時を楽しみながら、ここはフェンスのない野生動物の世界なのだ、ということをすっかり忘れかけていた頃、キャンプスタッフたちが、向こうのブッシュにライトを照らしながら何か警戒しているではないですか。

レパードが2頭こちらへ向かおうとしているようです。😱

「とりあえず、みんなテントに入りましょう!」

そして、今まさにバケツシャワーを浴びようとしていた学生さんにも、急いでテントに戻ってもらい、この夜、数人はシャワーを浴びずに就寝となりました。

ベットは快適でした。
気温もちょうどよかったので、私はいつの間にか爆睡でしたが…。
まだ薄暗い早朝でしょうか、テントの周りでガサガサと音がし、そしてペロペロと、どうやら水を飲む音がします。
昨夜テントの前にスタッフが用意してくれていた手洗い用の水でしょう。
今時期に水がないこのエリアでも、格好の水飲み場が出現してしまったのですから、無理もありません。

でも誰なん?

レパード?モンキー?ジャッカル?
色んな動物が頭をよぎります。しかし、
三脚で支えられているこの手洗い場へ登るには、 ある程度小柄でなければならなりません。
ということで、レパードではなさそう…。

と安心し、しばらくテントの周りをガサガサ物色している様子でしたが、私はいつの間にか寝てしまいました。

しかし、向こう側のテントに寝ていた学生さんたちは、なんと前日の夜からこの動物に睡眠を妨げられ続けていたとか。
すぐ裏のお手洗いへ移動することもはばかれるほど、テント内では様々な葛藤があったそうです。
いくら小型の動物とはいえ、夜中に野生動物がテントまで来るのはやはり怖いものです。

ところで、犯人は誰だったのか。

ガイドによれば、ハニーバジャー(ラーテル)という小型の動物だったとのこと。
こんなやつ↓

これも、ボツワナキャンプの醍醐味ですね。

モレミゲームリザーブ2日目

夜明け前から動くキャンプスタッフたち。
今日はマウンへ戻るので、シェフが朝食とランチを人数分作ってくれています。
学生さんたちも時間通りに準備を済ませてスタンバイしてくれました。さすが日本人!
朝食を済ませ、少し予定より出遅れたものの、全ての荷物を積んで朝のゲームドライブへ出発!

「今日は、ワイルドドッグ?チーター?」と少し意地悪な質問をカイザーに投げかけます。少し渋い表情でこっちを見るカイザー。
しかし、長年の勘から方向を定めてくれているようです。

黄金のサバンナを走ること約1時間、「おおお、おおおおおおおー!」思わず出そうになる声を押し殺しながら指さした先には滅危惧種の動物、ワイルドドッグ(別名:リカオン)!が前方から軽い足取りで歩いてくるではありませんか。

私のテンションをよそに、学生さんたちは意外に冷静。無理もありません。見た目は“犬”そのものですから。
また、学生さんの1人からは、「ハイエナ?」の声。模様が似ているのでよく間違えられます。

ちなみにワイルドドッグは、抜群のチームワークで狩りの成功率が最も高い肉食動物でもあります。
そして、こうやって会えるのも貴重なんですよねー。

彼らはあっという間に、何処かの茂みへ移動していってしまいました。

その後も気を取り直して辺りを見回します。またかれこれ1時間近くが経った頃でありましょうか。
カイザーが車を止めて双眼鏡を覗きます。私の顔をみて満面の笑みを浮かべ、「もう一度確認♪」といって再度双眼鏡を覗きます。
とぉーーーくに、どうやらメスライオンのようです。
どうやってあの遠方のかすかな茶色の何かをライオンと思える?

少しずつ近づいていき、それは間違いなくメスライオンでした。
歩きだしたそのライオンと安全な距離を保ちながらしばらく並走します。
カイザーは少し誇らしげな様子。

その後、まもなくしてから、どうやら何かがいるとの情報が無線で入ります。
その方向へ近づいていってみると、そこには、なんとチーターが3頭!兄弟のようです。
低い木陰でのんびりくつろいでいるではありませんか。

学生さんたちから、「昨日見たレパードと今日のチーターは何が違うんだろう?」という質問が出ました。
そう、サファリ初回ではここを混同する人も少なくありません。

簡単に解説しましょう:
チーターは顔が小さく、手足が長いスリムな体型をしています。そのため、速く走るのに適しており、体全体がしなやかです。顔の特徴として、目頭から鼻筋にかけて涙のような黒い線(ティアマーク)が入っています。※スポーツ選手が反射除けとして目の下に塗る黒いラインと似た効果です。
体の模様は小さな点が全体に散らばっているのが特徴。
一方、レパードはがっちりとした体型で、チーターより力強い印象があります。また、木に登ることが得意で、模様はより特徴的で、リング状の斑点(ロゼット)があります。

レパード

チーター

チーターもシャイな動物(すぐに逃げてしまうという意味)ですから、こうして近くでじっくり見られるのもラッキーでした。
なんだかんだと、今日の見たい動物を達成してしまいました!

この後はマウンへ向け再び3時間のサファリカードライブ!
皆さんぐっすりお休みで…。

今回は、2日間という短い期間でしたが、主要の肉食動物が4種類も見れたことは、本当にラッキーだったと思います。
秋田大学の学生さんたちは、きっと何か持っていますね!
今回の学生さんたちは、この過酷な暑さの中でも、状況を柔軟に受け入れ、なんだかんだ楽しみながら過ごしてくださったように思います。

今回は肉食動物にばかりフォーカスを当ててしまいましたが、日々命の危険と隣り合わせで生きる草食動物を含め、アフリカの大自然で繰り広げられるありのままの世界に触れることで、何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。
さらに、強い日差し、長いオフロードの道のり、そして野生動物が自由に行き交う環境でのキャンプ泊など、日本の快適な環境とは大きく異なる体験が、目の前にある小さな幸せに気づくきっかけになればと願っています。

秋田大学国際資源学部の皆さん、遥々ボツワナまで来てくださり、ありがとうございました!